オーラルフレイル予防に お口の体操

フレイル(虚弱)とは

フレイルとは、高齢者において筋力や活動量が低下した状態です。すなわち、加齢による機能低下のことで、フレイルは健康寿命の終わりということになります。
長寿社会日本では寿命と健康寿命(健康に日常生活を過ごせる期間)の間の期間、要介護状態の期間をいかに短くするかということが重要なテーマとなっています。プレフレイルの状態の時に早期介入することにより要介護状態に至る期間を延ばすことができます。歯科領域のフレイル、すなわちオーラルフレイル(口腔の虚弱、口腔機能の軽微な低下)はプレフレイルの段階で見られます。オーラルフレイルの治療を行うことでフレイルに移行することを予防します。

〔フレイルの基準〕
①体重が減少(6か月間で意図しない2~3kgの体重減少)
②歩行速度の低下(1m/秒未満)
③握力の低下(利き手で男性26kg未満、女性18kg未満)
④疲労(ここ2週間でわけもなく疲労感がある)
⑤身体の活動レベルの低下(軽い運動・体操をしていない)
以上のうち1、2項目でプレフレイル(前フレイル)、3項目以上でフレイルとする

オーラルフレイルとサルコペニア
・日常生活の活動量の低下 ➡ 摂食嚥下障害 ➡ 食形態の悪化・低栄養 ➡ サルコペニア(筋肉量の減少)
➡日常生活の活動量の更なる低下

オーラルフレイル

口腔機能の軽微な低下をした状態です。食、食べる ということは 様々な人々が係る領域で 家族、介護者、施設職員、ケアマネージャー、栄養士、医師、看護師、歯科医師、歯科衛生士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などがかかわってきます。

〔オーラルフレイルの基準〕
①お茶や汁物でむせることがある
②さきいか・たくあんくらいの固さの食べ物をかめるか
③活舌が悪い(オーラルディアドコキネシス Ta/6.0回/秒以下)
以上のうち2項目以上でオーラルフレイルとする

口腔機能低下症

口腔機能低下症は、保険病名として新たに導入された概念で、オーラルフレイルに近いものです。診断には7つの症状についてみていきます。
〔検査項目〕
①口腔衛生状態 ➡不良
②口腔乾燥 ➡あり
③咬合力 ➡低下
④舌や口唇の運動機能 ➡低下
⑤舌の筋力 ➡低下
⑥咀嚼機能 ➡低下
⑦嚥下機能 ➡低下
以上のうち3項目以上で口腔機能低下症となる(65歳以上)
*脳卒中やパーキンソン病などの病気がある65歳未満の場合には対象となる場合があります。
口腔機能の低下がみられた場合には、口腔機能管理の継続をすることにより 誤嚥性肺炎の予防、窒息の予防、栄養状態の改善、味覚の向上、感染リスクの減少などの効果があります。

お口の体操

口周り、首回りの筋肉のトレーニングをすることで、飲み込む、しゃべる、話すなどの口の機能の衰えを改善することができます。

有名なあいうべ体操の他にも いろいろな体操が考案されています。

[あいうべ体操]

[頬ふくらまし運動]

[ボイストレーニング]