義歯ケア 入れ歯の管理と口腔カンジダ症

入れ歯の構成要素

入れ歯(取り外し式の義歯)の材料は基本的に、レジン(プラスチック)、金属です。特にレジンは全ての入れ歯に使用されています。

入れ歯と口腔カンジダ症

カンジダは真菌(カビ、酵母菌の仲間)の1種です。 カンジダは口腔常在菌叢を構成する微生物の1種ですが、通常は増殖せず、入れ歯や口の中の免疫力が低下すると姿を現すことから『口腔の忍者』などとも呼ばれています。  虫歯菌であるミュータンスレンサ球菌が歯の表面に住み着くように、カンジダは入れ歯のレジン(プラスチック)に住み着きます。入れ歯を使い始めるとカンジダが口の中での存在感を増してきます。  入れ歯を使っている人はカンジダのケアが必要になるのです。

口腔カンジダ症の種類

カンジダ症は表在型と深在型に分けられ、口腔カンジダ症は表在型に分類されます。口腔カンジダ症は急性と慢性に分けられます。
1)急性型
・偽膜性(急性偽膜性口腔カンジダ症)
舌や粘膜にカンジダの菌糸で構成された白苔が形成される。白苔は互いに融合し、広がる。鑑別の必要な白板症はガーゼで拭いとることはできないが、初期の急性偽膜性口腔カンジダ症の白苔は拭いとることができます。症状が進むと粘膜に根を張り、容易に拭いとることはできなります。無理して剥離せず、抗真菌薬の利用や義歯の清掃、新制を行います。
・萎縮性(急性萎縮性口腔カンジダ症)
菌糸が粘膜下で増殖し粘膜の発赤、萎縮、疼痛・灼熱感がみられます。
2)慢性型
・萎縮性(慢性萎縮性口腔カンジダ症・紅斑性口腔カンジダ症)
菌糸が粘膜下で増殖し粘膜の発赤、萎縮がみられます。舌や義歯床下粘膜のピリピリ感、食べ物にしみるなどの症状がみられます。義歯床に触れた部分の形に粘膜が赤くなっている場合、口腔カンジダ症の1形態である義歯性口内炎といえます。
・肥厚性(慢性肥厚性口腔カンジダ症)
急性偽膜性口腔カンジダ症が慢性化したもの。偽膜が固く、白斑を形成する。口角付近の口唇・頬粘膜周囲にみられることが多い。正中菱形舌炎はこのカンジダ症である。

口腔カンジダ症のバリエーション

1)義歯性口内炎 義歯の形に粘膜の発赤・萎縮・疼痛がみられる
2)カンジダ性口角炎 両側性の場合疑う。他に口角炎は栄養不良、細菌感染が原因です。

入れ歯の管理

1)入れ歯は熱に弱いので 煮沸消毒はダメ

 入れ歯は熱湯で変形する可能性があります。煮沸消毒はダメです。火傷しないレベルの熱は大丈夫です。

2)夜は基本、入れ歯を外してください *場合によって入れ歯を入れて寝た方がよい場合もあります

3)入れ歯は丁寧に扱いましょう

 入れ歯を落とすと割れることがあります。水を張った洗面桶やタオルの上で磨いてください