顎関節とは、あごの関節のことで、下顎骨・下顎頭と側頭骨・下顎窩の間でなされる特殊な蝶番関節です。間に関節円板があり、靭帯や関節包、筋肉、神経、血管などにより構成されます。
『顎関節の特徴』 ・下顎骨が1つであり、左右の顎関節が1対になっている ・左右の顎関節が協調運動をする ・単純な蝶番関節(回転運動)ではなく、滑走運動も可能である ・現在の顎関節は、進化の歴史上では哺乳類以降の構造である ・上下の歯の接触により、顎の位置が決定する ※動物によって下顎骨が左右に分かれているものもいる ※咀嚼筋により決定される顎の位置を筋肉位と呼ぶ ※咬合接触により決定される顎の位置を咬合位と呼ぶ |
顎関節症とは、日本顎関節学会の定義では『顎関節や咀嚼筋の疼痛、関節(雑)音、開口障害ないし顎運動異常を主要症候とする慢性疾患群の総括的診断名であり、その病態には咀嚼筋障害、関節包・靱帯障害、関節円盤障害、変形性関節症などが含まれている』となっています。
つまり、『あごが痛い』、『あごが鳴る』、『口が開けづらい』、『あごがガクガクする』などの症状がある慢性疾患です。虫歯、歯周病に次ぐ第三の歯科疾患と言われた時期もありました。顎関節症に似た症状でも、違う病気であることもあります。
『主症状』 ・顎関節や咀嚼筋の疼痛 ・関節(雑)音 ・開口障害ないし顎運動異常 |
『副症状』 ・頭痛、首、肩、背中、腰など全身の痛みやコリ ・耳の症状(耳の痛み、耳鳴り、難聴、めまい、耳詰まり感など) ・眼の症状(疲れ、充血、流涙など) ・口腔感覚異常(歯痛、舌痛、味覚異常、口腔乾燥など) など |
『顎関節症の分類』 顎関節症は、上記の三大症状を病気の総括病名で、4つのタイプに分類されます。 1)T型(咀嚼筋障害) 2)U型(関節包・靭帯障害) 3)V型(関節円板障害) 4)W型(下顎頭の変形) 実際には心因性のものやT型とU型の混合型などが存在します。 |
顎関節症の発症原因は現在では積み木理論で説明されることが多くなっています。積み木理論とは顎関節症のリスク因子が複数重なり、許容量を超えた時に発症するというものです。
『顎関節症のリスク因子』 1)噛み合わせ・歯列不正 :かみ合わせが悪いと顎関節症になるとされてきましたが、現在はリスク因子の1つとなっています。歯列不正により顎が安定しない場合や一部の歯に負担がかかるようなかみ合わせの場合に発症しやすくなります。 2)偏咀嚼 :左右一方でよく噛む習慣のことを偏咀嚼と言います。片側だけに負担がかかるため顎関節症になりやすくなります。 3)歯ぎしり、食いしばり、上下歯列接触癖(TCH) :歯を噛み締めることにより、関節頭や関節円板の変形や筋、靭帯へのダメージを生じます 4)ストレス :ストレスは筋肉の緊張を増長して食いしばり、歯ぎしりなどを引き起こします。 5)顎関節に負担をかける習癖 :うつぶせ寝、頬杖癖、猫背、大きな口を開ける、ヴァイオリンや一部の笛の演奏など 6)外傷 : 顎や首への強い衝撃による顎関節周囲のダメージ |
治療法は原因となったリスク因子を1つ1つ取り除き、症状をへらしていくことになります。
1)認知行動療法 :歯ぎしりやTCH、頬杖など顎関節症の原因となるリスク因子を自覚し、取り除きます。 2)理学療法 :患部を温めたり、冷やしたりします(物理療法、罨法)。また開口訓練や顎の運動をします(運動療法)。 3)薬物療法 :痛みが強い場合に痛み止めを飲みます。 4)スプリント(マウスピース)療法 :スプリントと呼ばれるマウスピースを装着することで顎関節や筋肉の負担を軽減させます 5)整体 :必要に応じて整体に紹介します。 6)外科療法 :重度の場合には外科処置が必要となります。大学病院等への紹介となります。 7)咬合治療 :明らかに問題のあるかみ合わせの場合は修正を行います。 |
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